
「共に考え、共に創る。」産学連携の取り組み紹介
2025.02.28

千葉県にある当社の基幹物流センターでは、千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科と産学連携の取り組みを継続的に行っています。物流センターが抱えるさまざまな課題に学生の皆さんと共に取り組み、新しい解決策を導き出しています。今回はこれまでの取り組みをご紹介します。
スタッフさんの憩いの場 ~休憩室のリノベーション~
物流センターで働くスタッフさんにとって憩いの場である休憩室。そこで過ごす時間をより良いものにするべく、千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科 倉斗研究室の学生の皆さんとタッグを組み、産学連携プロジェクトを開始しました。まずは学生の皆さんが休憩室に赴き、スタッフさんの休憩の取り方、時間や空間の使い方を観察、さらにインタビューを行い、普段行っている仕事内容から疲労の度合いや休憩室の利用内容の関係性まで把握いただきました。リサーチ結果をもとに、3つのデザイン案を制作いただき、社内投票で選ばれた案をもとに、現在の休憩室ができました。(写真は左がリノベーション前、右がリノベーション後の休憩室です)


新しい休憩室のコンセプトは「tomarigi~とまり木~」。鳥が木々に止まって休み、飛び立っていくように、 物流現場で働く人々が思い思いの場所で休み、現場に戻っていく、そんな空間が誕生しました。デザイン研究の新たな気づきは、「現場は四角く無彩色な空間で溢れている、束の間休める休憩室には現場とのギャップを。」です。長く物流センターに勤務していると全く気が付いていませんでしたが、さすがデザイン研究の学生さん!視点が違う、とプロジェクトメンバー一同、感銘を受けました。


見慣れたサインを見直し ~学術的根拠に基づいた物流センター内のサインデザイン~
休憩室の次は物流センター内にある、さまざまなサインデザイン(案内表示)の見直しに、千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科 倉斗研究室・西田研究室の学生の皆さんと共に取り組みました。取り組み開始当初は「統一感のあるデザインにしたい」という抽象的な課題感を持っていましたが、学生の皆さんによるインタビューを通じて、「なぜデザインをし直すのか」という根本的な問いと、現状の課題、およびサインに必要な要素を明らかにしていただきました。こちらも実際に学生の皆さんが物流センターの現場を見学し、現在のサインを安全性、配置、色や大きさ、形の観点で分類。デザイン科学科の学生ならではの、色や形状に関する学術的知見とスキルを融合し、新しいサインデザインを制作していただきました。
制作されたサインは、物流センター内での仮設置やユーザーのアンケート結果を踏まえ、改善されました。掲示を開始した時は目を引くサインも、時間の経過と共に見慣れた風景になり、本来の機能が薄れてしまうもの。学生の皆さんのアイディアと意見により、物流センター内の風景も一新、一層活力をもって働ける環境整備につながりました。(写真は階段に続く扉のサインで、左がリノベーション前、右がリノベーション後です)


本取り組みでは、ワークショップや現場見学を通じて、異なる視点を持つ学生の皆さんと共に物流センターの課題に向き合い、考え、学び、成長することができました。